ルルティア

玲々テノヒラ

玲々テノヒラ

インディーに移行してから三枚目のシングル。
ルルティアのアルバム作品を好きな順番に並べてみると、"Water Forest"、"R゜"、"プロミスト・ランド"、"ミーム"。つまり東芝に居た頃の後期になるに従って、自分の好みの音楽とは離れていった(それでも好きだけど)。だんだんポップな感じになっていったんだと解釈してる。
ところがインディーに移ってからのルルティアはR゜やWater Forestの頃と同じように生き生きと自由に音楽をしている風な印象を受ける。有名なレコード会社ともなるとやはり利益を優先して物事を考えてしまうんじゃないのか。そういった考えがルルティアの音楽性を束縛していたのではないかと、今では思ってしまう。実際のところは知らないけどさ。
琴線に響くメロディに乗せて彼女のウィスパーボイスが紡ぐ生々しいまでに悲しげな歌詞は、聴く者の心に突き刺ささり無慈悲に抉り続けるはずだ。"スピネル"、"微笑みのマリア"、そして今回の"玲々テノヒラ"。まるで数年前R゜を聴いたときの衝撃がぶり返してくるよう。プロミスト・ランド、ミームで魅せてくれたキャッチーな曲のセンスが相まって涙を誘う。間違いなくルルティアは、ルルティアでしか行き着くことの無い場所へ着実に歩を進めている。次回のアルバムが待ち遠しくて仕方がない。