A Storm of Light & Nadja - Primitive North (Split) [2009]

Primitive North (W/CD) [12 inch Analog]

Primitive North (W/CD) [12 inch Analog]

今聴いてる最中なんですけど,かなり病んでますな,コレ.ジャケットからして世界の終末を思わせるような感じだし.こんな感じ(←A Storm of Lightの公式ページ).あ,でもタイトルが"Primitive North"なんで,どちらかと言えば始まりの方ですね.たぶん世界が一周して,また始まりが来ちゃったんです(適当).なんかもう救いがないです.つまり作品としては最高です.
内容としてはA Storm of Lightの1stアルバムの世界観を踏襲してる感じでしょうか.雰囲気はNeurosisに近いです.ひたすらスラッジィにずるずると世界を呪うように演奏するA Storm of Lightと,アンビエント・ドローンへの耽美主義すら感じさせる,言わずもがな想像に難くないNadjaです.不思議なことにA Storm of Lightと比べると,Nadjaがめちゃめちゃ希望に満ち溢れた音楽に聞こえるんですね.おっそろしいわあ….
そして面白いのはLP2枚から成る収録トラックの構成なんですけど,最初にA Storm of Lightが2曲とNadjaが1曲で本編は一旦〆られます.そして本編でA Storm of Lightがやった曲をNadjaがリミックスし,Nadjaがやった曲をA Storm of Lightがリミックスするという何とも嬉しいことになってるんです.そういえばNadjaがカヴァーアルバムを出すらしいんで,マイスペにいくつかカバー曲がアップされてますよね.それ聴いてみるとわかるんですが,Nadjaのカヴァーってカヴァーであってカヴァーでないみたいな事態になってるんです.A Storm of Lightが9分半でやった曲をNadjaがリミックスすると12分近くになり,Nadjaが23分かけて演奏した曲はA Storm of Lightの手にかかると12分にまとめあげられます.お前ら原曲どうする気だ!とか言いたくなりますが,実は聞き込んでみるとリミックス前後で結構と共通項が見つかるんでさすがです.まあ今回はカヴァーではなくあくまでもリミックスだというところもポイントだと思うのですけど.
すごいバーリトゥードな様相を呈しているんですが(聴く人によってはそこまでではないかも),音楽に対する姿勢は似た者同士ですね.要はそこに美意識があるかどうかで,表現方法の違いなどは小さき事なのです.連発の続くNadjaの作品の中でも特に素晴らしいと思えた作品でした.