Witchcraft - The Alchemist [2007]

錬金術師 (THE ALCHEMIST)

スウェーデンのドゥームロックバンドWitchcraftの3rdアルバム。21世紀に生きつつも60/70年代のレトロな雰囲気を大切にする貴重なバンドである。
ドゥームなリフワークを土台にしてサイケ、プログレなど往年のクラシカルなハードロックが忠実に再現されている様は見事である。Led Zeppelinの曲を歌わせてもしっくりきそうなヴォーカルも、バンドのこういったイメージの構築に一役買っている。60年代や70年代なんて僕にとっては経験したことも無いし何の思いもあるはずが無いのに、こうして彼らが現代に掘り起こして生き返し、フォーマットし直した音を聴くと、日ごろ耳に入れている音楽の源流を確かに感じるのである。昭和を経験していない若者が「三丁目の夕日」を見て感動するのは何故だろうか。我々の生活の中で時を経ても静かに息づく力強いベーシックなものを意識せずにはいられない。
多くの有名なドゥーム/ストーナーバンドを抱えるRise Aboveからのリリースで、日本盤はLeaf Houndから。日本盤には、これもまたレトロな味わいの帯が付いていて好きな人にとっては込み上げる思いもあるはず。