Incubus - Light Grenades

ライト・グレネイズ

ライト・グレネイズ

シングルカットされたAnna Mollyを聴いた時、僕は正直嬉しかった。僕自身がここ暫くハードコア方面に傾倒していて新鮮に感じたのもあったし、何よりもあの頃聴いたIncubusが今も尚Incubusだったことを確認できたからだ。
90年代の後半のあたりだろうか、多くのバンドがニューメタルの流行に乗り、そして多くのバンドが流行と共に去った。僕自身そんなニューメタルの勢いに乗せられて激し目な音楽の面白さに目覚めたりしたので、これらのバンドの浮き沈みには若干違和感を覚えたものだ。そんな彼らの中には、強かにスタイルを変えたりといった手段を講じ、今も尚現役のバンドが居る。Incubusもそれらの類に括ってしまうことはできるだろうけれど、そのスタイルチェンジがバンドに齎した影響の大きさを考えると、Incubusというバンドはかなり異端な存在なのかもしれない。
今作はMorning View以降の手法を彼らなりに押し広げ、掘り下げた内容であると思う。ブランドンは相変わらずエモーショナルに歌を唄ってくれているし。とりあえず今の自分としては、曲の良し悪しは置いておいて、彼の歌声とバンドとしての厚みを増したサウンドを聴けるだけで満足なんだ。割と思い入れのあるバンドなだけに。


Incubus - Anna Molly