聴いたもの

18V

Eighteen Visions

Eighteen Visions

USはオレンジカウンティ出身のロックバンド、Eighteen Visionsの新譜。Obsessionに続くメジャー二作目にしてセルフタイトル盤。
Avenged SevenfoldAtreyuを始めとするオレンジカウンティの野郎共がロックシーンに与えた影響は小さなものではない。18Vも前作でハードコアとしては異例のセールスをあげるなどの功績を挙げたが、今作は前作を上回る程のインパクトを我々に与えてくれるんじゃないだろうか。
「ハードコアとしては異例」。今作に限っては、これは間違った表現となる事だろう。最早彼らの音楽をハードコアという枠にはめるのはナンセンスである。なぜならこのセルフタイトル盤で18Vがしている事は、ハードコアを根底に持つバンドしか出せないロックンロールであるからだ。
今作の音楽性は前作の延長線上にあると考えてもいい。目に見えて変わったなと思えるものは、彼らのロックバンドとしての成長であろうか。前作で見られたハードコアらしいスピード感は粗方影を潜め、メロディを重視した歌モノの曲の質が素晴らしいことになっている。特に表現力の増した、ヴォーカル技術の向上には目を見張るものがある。
独自の道を突き進む18V。辿り着いた場所がここなのか、或いは通過点に過ぎないのか。はたまたここを出発点として更なる深みへ臨むのか。セルフタイトルが真に意味する所は聴く者が自らの耳で確かめるしかない。
18Vのファンにはもちろんオススメできるし、ハードコアファンにとっても、ハードコアが辿った道の一つの姿を知ることが出来る面白い一枚になるのではないだろうか。


オフィシャル(英語):http://www.eighteenvisions.com/
レーベル(日本):http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/EighteenVisions/